『無意識過剰』阿川佐和子
面白くなかった。
エッセイって作者のことを愛せないと面白く読めないと思うんだけど、愛せない。
欲しい人いたらあげます。
2018.4.27 17:49
はあ生活
なにか書かないとだめな気がする。
ずっとなにも生み出していないという感覚がある。大学生なんだから、学んでいればそれでいいとも思うが、なにも学んですらいない気がする。
いま教壇でどこかの学部の教授が話す、黒板を見てみたら教育投資論と書いてある、ことも聞き流しているだけだ。
注意して聞いてみても教授的就活論を話しているだけだった。
就活も採用もしたことないでしょ。
わかってるよ、学者は対象の外から見て分析するのが仕事なんでしょう。でもさ。
専門の勉強はそれなりに頑張っているけど、学術英語で書かれた哲学論文を読めるようになることはどちらかと言うと自己満足だと思っている。
なにかを学んでいるなという実感はない。
想像力と音楽の哲学的な関係を学んだらなんだっていうんだ。
普段考えるのは、明日もバイトめんどくさいな〜だとか、今日は最高の気候だな〜とか、いまだったらお昼ごはん何食べようかなとか。
そんなことで、そんなことも大事だけど、終わっていくのはなんとなくさみしいんだよな。
なにかをがんばりたい。
なにか書きたい。
そのなにかは、たぶんこんなブログじゃないんだけど。
2018.4.23 11:23
『美女入門』林真理子
美を求めていろいろするエッセイ、大好きなんだよな。
おおたうにの『乙女の教科書』に衝撃を受けて以来、女の子系の本というか、可愛いを満喫してる文章や絵が本当に癒されるし好き。
ちなみにですが、おおたうに「さん」を付けないのは、芸能人にさん付けする人間がなんとなく寒くて嫌いっていう理由からです。
昔読んだ本のことを思ったら昔のことを思い出した。
中学2年生くらいの頃まで私は歪んだ自意識のせいで、美容院で髪を切りたいって言うことも、コンタクトにしたいって言うことも、色の付いたリップを買ったり、雑誌に載ってるような可愛い服を着ることもできなかった。
自分が他人から「可愛い」と思われるための行動をするのがたまらなく恥ずかしかった。
自意識というものが芽生えた小学校4年生以降、ずっと自分の容姿に自信を持つことができなかったせいかと思っていた。
でも今改めて考えてみると、わからない。
他にもいろんな女性作家の作品を読んでは、絵の可愛さや描かれた生活の煌びやかさ、明るく綴られるそれでも自分の容姿に納得のいかない苦しみに心をときめかせていた。
あのころは自分がこの本にあるように、いろんな服やアクセサリーを買ったり、メイクを試行錯誤したり、デートしたりするとは全く考えていなかった。
それでも身に迫った憧れやおもしろさがあった。
だからたぶん、可愛いものが好きなら男の人が読んでもおもしろいと思うんですよね。美を求めて奮闘するようなエッセイ。
『美女入門』。
美人ではない(という自認がある)女性が、ダイエット洋服メイク買い物とかデートのこと、女友達とか仕事のことを書いた文章は、使う金額がケタ違いであることを差し引いてもすごく身近でたのしい。
モデルとかスタイリストとかメイクさんのエッセイとかカワイイ本もおもしろいけどね。
そういうのとは違って自意識とか生活とか仕事があって、それと同時に女の楽しみがあるっていうことも書かれてるから、そういう意味でも男の人が読んでもおもしろいって言えると思う。
そんな本。
2018.4.23 00:34
『漁港の肉子ちゃん』西加奈子
西加奈子を読むのは2冊目だ。正確には2作品目かな。前に読んだ『サラバ!』は長い作品で上下巻だったと思うから。
西加奈子ってどんなの出してたっけなあと思っていまAmazonを見てみたら、『まく子』も読んでた。
あとびっくりしたのが、『しあわせの黄色い象』って西加奈子なんですね。イメージなかったな。今度読んでみます。
これまで西加奈子はそこまで好きだとは思ってなかったけど、これはよかった。
もっというとこれを読んで、あっそういえば西加奈子の他の本も面白かったなって、いい部分の記憶を思い出した。
そこまで好きじゃなかった理由として。
これは完全に私が間違ってるってわかって書くんですが、長い小説ってなんかわざとかと思っちゃって、無駄に長くしてるだろって思っちゃって、あんまり好きじゃないんです。
ほんとに私が間違ってるんだけど、同じ内容なら短ければ短いほど表現として優れてると思う。
小説なんて娯楽なんだから、なに読むのめんどくさがってるんだと思われるかもしれないけど。
読む行為そのものよりも、読んだ物語が頭とか心とかどこかわからないけどそういう所になんとなく残っていく感じが好きだってこともあるかも。
言いたいのは、長い『サラバ!』の印象が強くてあんまり好きだと思ってなかったってこと。
『まく子』は忘れてたし。
『漁港の肉子ちゃん』で好きになれて本当に良かった。おそらく面白いであろう他の作品を読む気になれたのも良かったし、自分の偏った、長い作品が好きじゃないという好みだけで、西加奈子あんまり好きじゃないんさな〜みたいなことを言うのを辞められたことがよかった。
特に言った覚えはないが、将来のためにも。
きくりんという少女を主人公として肉子ちゃん親子を中心にまわる物語は、読み進めていくのがもう楽しい。そのうえに、有り体にしかいえないが自意識との葛藤というテーマが読後しっかりと残ってくる。
きくりんの親として人間として肉子ちゃんを愛しながらも、面白おかしい人間として肉子ちゃんを観察する冷静さ。
きくりんの親として人間として肉子ちゃんを愛しながらも、妙ちくりんな外見の肉子ちゃんと歩く姿をクラスメートに見られることを恐れる繊細さ。
次はなにを読もうかな。
2018.4.18 6:38
『にょっ記』穂村弘
穂村弘という字を見ると、名前を聞くと、思い出すのがサークルの同期の顔だ。
彼女は穂村弘を「ほむほむ」と呼んだ。
後で調べてみると穂村弘の熱心な女性ファンの間で使われている愛称らしい。
「穂村弘」から「ほむほむ」。
これ以上に原型をしっかりと意識しながらも、似合わなくならない程度に可愛らしく呼ぶ方法が他にあるだろうか。
しかし穂村弘を好くような層の自意識は「穂村弘」を「ほむほむ」と呼ぶことを許すのだろうか。可愛いから呼びたいけど。
日記形式のエッセイだと思っていただけにすすっと読み始めたが、そうじゃないみたいだった。
日記を書くって体で、自分と天使との会話だったり、幻想的なのに妙にリアルなエピソードを書く。
この本を読み始めた日の昼ごろ、次の予定の時間を間違えた私は1時間ほど喫茶店に居た。甘いゆずスカッシュを飲んだ。
その時にした、横並びに座って人と一緒に覗き込みながら読むという読み方が、とても合う本だった。
1人で読むときはそんなことしないのに、なんとなく声を出して笑っちゃったりする。
そんな本だった。
2018.4.18. 6:16
『ファザーファッカー』内田春菊
いまとっくにぬるくなった湯船で、たぶん32度くらいだ、この本を読み終わった。
読んでて辛い雰囲気の小説だけど、最後の部分が弱い気がした。
虐待を受けていた主人公の少女が、そんな家に居続ける必要がないことにふと気付き出て行く、それだけだ。
虐待を加えていた父、またそれを許していた母の描写がないのはまだ理解できる。
しかし物語中で一貫して中途半端な描かれ方で、だから無意識になにかあるんだろうなと思っていた妹についてもなにもなかった。
そのことが特に不満なわけじゃない。酷い父親は悪として描かれる一方で、母親に対する少女の複雑な、しかし物語が進むにつれ確実に下がってゆく評価は、親に対する幻想がなくなってゆく過程をよく表していると思う。
ただなんとなく違和感があるなと思っただけ。
親に対する幻想が消えていくことが、大人になっていくことだと思う。
小学生が終わる頃に父に、中学生の半ば頃に母に対する過剰な期待を失って以来、私と家族の関係、少なくとも私の居心地は良くなった。
親を1人のものすごく親切な他人だと考えると、全てに納得がいった。
産んだってだけで本当に、よくこんなに面倒を見てくれるものだとしみじみ思う。
もうすぐ母の日だし、花でも送ろう。
1週間ほど前、ブックオフで100円の文庫をたくさん買ったときに、作者の名前に惹かれて読み始めた内村春菊。
そのときは代表作らしい『キオミ』を買い読んだ。
なんとなく惹かれて読む本には当たりが多い。
好きな作家が増えたのが嬉しい。
2018.4.18 5:55