『号泣する準備はできていた』江國香織
読み終わって、なにか不安な気分になった。
この本を通して不安になっていったんじゃなくて、最後の一編で不安になったんだと思う。
最後の話は、不倫の末に相手の男が離婚したから、やっと一緒になれるけど、離婚したのはただ離婚したかったからって話だった。
自分と一緒になりたかったから別れたんじゃなくて、別れた後に、じゃあ君にしようかな。そんな雰囲気。
本当になんだそれと思った。悲しい。
君のことは好きだけど、わざわざ離婚するほど入れ込んでるわけではないよ、そう釘を刺されたみたいで、ずるい。
女王蜂に「あなたは優しく狡く悪い人」という歌詞がある。それが1番強い。
優しい人には2種類あって、無抵抗だから優しく見える人と、本当に優しい人がいるんだといままで思っていた。
でも後者だと思ってた人には、頭がいいから優しくできるけど、本当は優しくない人が入っていたのかもしれない。
優しくありたいし優しくされたいけど、難しい。
2018.07.01 15:25