『それからはスープのことばかり考えて暮らした』吉田篤弘
ちょうど半分くらい読み終わったところで思ったんだけど、話の進み方がアニメっぽい。
それは別に良い意味でも悪い意味でもなくて、ただそんなかんじだった。
つまり、この本は好きだったけど、進み方がアニメっぽいから好きってことでも、かと言ってそういう進み方じゃなかったらもっと好きだったってことでもない。
ひと続きの話だけど短編にそれぞれ分かれてて、その終わり方が一応落ちたけど後を引くというか、ここで終わりだなって明確にわかるけど世界は全然終わってない感じ。
後半に差し掛かったあたりには、その雰囲気がまたちょっと変わって、その話終わりはわかるけど大きな流れは次に次に行こうとする感じ。
話と話の間の余白が狭くなる感じ。
そんな感じがあった。
食べものの出てくる本は大体いい。
この本はサンドイッチとスープ。
柚木麻子とか小川糸とか、あとは誰だろう、平山夢明も食べものメインで書いたような作品はなかったと思うけど、おいしそうな描写があった気がする。
食べものは想像するのが楽しい。
聞いたことのない外国の料理名とかが出てくるとすごく楽しい。
今の時代調べればすぐ出てくるんだから検索して画像を見ちゃえばいいんだけど、頭のなかのほうが大抵おいしそうだから、あんまり調べることはしない。
だから読んだことだけある食べものを不意に目にすると、ほとんどの場合思ってたのと違って、それもおもしろい。
作中のサンドイッチ屋さんの名前が、3と書いてトロアって読むんだけど、三宮の上の方にそういえば3って名前のサンドイッチ屋さんがあったなって読んでて思い出した。
行きたいなと思ってたんだった。
おいしいサンドイッチが食べたくなったし、行ってみようかな。
2018.06.05 02:36