『美女入門』林真理子
美を求めていろいろするエッセイ、大好きなんだよな。
おおたうにの『乙女の教科書』に衝撃を受けて以来、女の子系の本というか、可愛いを満喫してる文章や絵が本当に癒されるし好き。
ちなみにですが、おおたうに「さん」を付けないのは、芸能人にさん付けする人間がなんとなく寒くて嫌いっていう理由からです。
昔読んだ本のことを思ったら昔のことを思い出した。
中学2年生くらいの頃まで私は歪んだ自意識のせいで、美容院で髪を切りたいって言うことも、コンタクトにしたいって言うことも、色の付いたリップを買ったり、雑誌に載ってるような可愛い服を着ることもできなかった。
自分が他人から「可愛い」と思われるための行動をするのがたまらなく恥ずかしかった。
自意識というものが芽生えた小学校4年生以降、ずっと自分の容姿に自信を持つことができなかったせいかと思っていた。
でも今改めて考えてみると、わからない。
他にもいろんな女性作家の作品を読んでは、絵の可愛さや描かれた生活の煌びやかさ、明るく綴られるそれでも自分の容姿に納得のいかない苦しみに心をときめかせていた。
あのころは自分がこの本にあるように、いろんな服やアクセサリーを買ったり、メイクを試行錯誤したり、デートしたりするとは全く考えていなかった。
それでも身に迫った憧れやおもしろさがあった。
だからたぶん、可愛いものが好きなら男の人が読んでもおもしろいと思うんですよね。美を求めて奮闘するようなエッセイ。
『美女入門』。
美人ではない(という自認がある)女性が、ダイエット洋服メイク買い物とかデートのこと、女友達とか仕事のことを書いた文章は、使う金額がケタ違いであることを差し引いてもすごく身近でたのしい。
モデルとかスタイリストとかメイクさんのエッセイとかカワイイ本もおもしろいけどね。
そういうのとは違って自意識とか生活とか仕事があって、それと同時に女の楽しみがあるっていうことも書かれてるから、そういう意味でも男の人が読んでもおもしろいって言えると思う。
そんな本。
2018.4.23 00:34