『にょっ記』穂村弘
穂村弘という字を見ると、名前を聞くと、思い出すのがサークルの同期の顔だ。
彼女は穂村弘を「ほむほむ」と呼んだ。
後で調べてみると穂村弘の熱心な女性ファンの間で使われている愛称らしい。
「穂村弘」から「ほむほむ」。
これ以上に原型をしっかりと意識しながらも、似合わなくならない程度に可愛らしく呼ぶ方法が他にあるだろうか。
しかし穂村弘を好くような層の自意識は「穂村弘」を「ほむほむ」と呼ぶことを許すのだろうか。可愛いから呼びたいけど。
日記形式のエッセイだと思っていただけにすすっと読み始めたが、そうじゃないみたいだった。
日記を書くって体で、自分と天使との会話だったり、幻想的なのに妙にリアルなエピソードを書く。
この本を読み始めた日の昼ごろ、次の予定の時間を間違えた私は1時間ほど喫茶店に居た。甘いゆずスカッシュを飲んだ。
その時にした、横並びに座って人と一緒に覗き込みながら読むという読み方が、とても合う本だった。
1人で読むときはそんなことしないのに、なんとなく声を出して笑っちゃったりする。
そんな本だった。
2018.4.18. 6:16