生活の倫理

生活の感想

『御不浄バトル』羽田圭介

 

 

羽田圭介が好きだ。

 

 

 

作品も好きだが、顔がすごく良い。

 

 

 

でもこの本はあんまりだった。

古市憲寿の解説はよかった。

 

 

通勤途中にある綺麗なトイレの争奪戦や、排便や便所飯の描写は面白かった。

 

けどそれ以外のところ、恋人も会社もダッチワイフも、なんとなく入れといた感があった。

 

 

 

短編がよかったんじゃないかな。

 

 

無理にトイレ以外の世界を広げないほうがよかったかも。

 

 

『黒冷水』と『スクラップ・アンド・ビルド』はすごく好きなので、みんな気が向いたら読んでみてね。

 

2019.3.05 17:29

『風の歌を聴け』村上春樹

 

後輩が読んでいて読もうかなと思った本。

 

 

散歩していたら古本屋で100円で売っていたから買って帰った。

 

 

軽くふわっと読めるし、今まで読んだ村上春樹の作品のなかでは1番好きかもしれない。

 

 

僕と鼠が各場面でビールをぐいぐい飲むから、ビールをぐいぐい飲みたくなる。

ビールはすごく好きだけど、食べ物と合わせて飲むものという気がしていた。

 

夏になったらビールだけでぐいぐい飲もうと思った。

 

 

ビールを半ダース買って海に行って飲む描写があった。これをやりたい。

 

 

岩屋のあたりの海辺なら歩いていけるけど、砂浜が欲しい気がするから須磨かな。

 

 

 

一昨日読んだ小川洋子の『薬指の標本』には、薬指の先がない女の子が出てきたけど、こっちでは小指がない女の子が出てきた。

 

 

指が一本無いって、ちょうどよく異質な感じがしていい。だからフィクションには多いのかもしれない。

 

 

 

2019.3.4 04:53

『シュガータイム』小川洋子

 

 

長野で他人の本棚から勝手に読んで、続きが読みたくて買っちゃった本。

 

 

 

友達の家族が持ってる山小屋にあった本だから、他人って言っちゃうとよそよそし過ぎるかな。

 

 

 

人の本棚を見るのがすごく好きだから、チャンスがあれば真っ先に見てしまう。

 

 

冷蔵庫やクローゼット、引き出しなんかは開けちゃだめだけど、本棚はじろじろ見ても大丈夫だからありがたい。

 

 

だめってことにはならないでほしいな。

 

本棚なんてどの引き出しよりも私的な領域だと思うけど。

 

 

 

 

 

小川洋子は『博士の愛した数式』しか読んだことがなかった。

 

 

『シュガータイム』ってタイトルは小川洋子より山田詠美とかに似合いそうだなと思いながら5ページくらい読んだ。

 

 

全体のストーリーは『博士の愛した数式』の小川洋子が書きそうな、想像通りの進み方だった。

 

 

でもそのときに読んだ、最初の5ページの食欲や食べ物の描写があまりにも印象的だった。

 

 

 

なにもかもを胃の中に収めてしまいたくなる衝動。

これが食べたいと思って他のことが考えられなくなること。

食べたいという気持ちを満たすために費やされた時間を考えたときに感じる虚無感。

 

 

 

共感した。こういうことはよくあるし、こんな状態が程度の差こそあれ私の生活にはずっとあった。

 

 

私はたくさんのものを食べることができる。

同じものはあまりたくさんは食べられないけど、種類が変わったり少しだけでも時間が経ったらどれだけでも食べられる。

 

 

特に女の子と長い時間続けて一緒にいると、相手の腹具合を推し量って、自分の腹具合を申告することになる。

 

自分のお腹は昼ごはんをいっぱい食べたあとすぐでもおやつを受け付けてしまうから、おやつを食べたあとすぐでもタピオカを飲めるから、そのあとでもボリュームのある夜ご飯を食べられるから。

 

 

たぶん相手は、今はお腹がいっぱいで食べ物を食べたくないだろう。

 

 

たぶんいまおやつを食べてしまうと、あんまりボリュームのある夜ご飯は食べたくなくなるだろう。

 

 

このあとはカフェに行く予定だけど、すぐに言ってしまうと苦しいだろうから、少し歩いたり時間をおいた方がいいだろう。

 

 

 

お腹もすごく強いから胃もたれや、胃が疲れてるみたいな感覚は本当にわからないし、冷たい牛乳をどれだけでも飲めるし、焼肉も基本はあんまり焼かないほうが美味しいと思う。

 

 

朝からそんなに食べられない、みたいな感覚も本当にわからない。

 

 

 

パクチーしか嫌いな食べ物はなくて、好きな食べ物は挙げていくとキリがない。

 

 

 

こんなに食べ物を食べるのに適した人間も珍しいと思う。

 

 

 

好きなときに好きなように好きなものを食べていると、常人の3倍は食べてしまうから、すぐに太ることができる。

 

 

 

主人公は突然のものすごい食欲に戸惑い恐怖するが、なぜか体重はベスト体重から1gだって増えない。

 

ここを読んだときに一旦共感が切れた。

 

 

 

異常な食欲が肥満に繋がっちゃったら、たしかに作品の雰囲気は一気に暗くなるよね。

 

 

 

異常な食欲とともに生きつつ、恋人や家族との関係なんかの状況の変化で、描き切られないが最後には回復していきそうな気配を残して作品は終わる。

 

 

でもこの作品に、主人公の食欲に共感した、食べたら普通に太る私の救済は、どこにあるんだ。

 

 

2019/02/27 00:34

 

 

 

追加

お腹がめっちゃ強いって書いたけど、そういえば生キャベツをいっぱい食べた時だけなんかちょっとお腹が気持ち悪くなります。

最近春キャベツ安くてめっちゃ美味しいのでいっぱい食べてたらなって思い出しました。

なんなんだろこれ?

 

2019.3.5 20:19

『1984』ジョージ・オーウェル

 

 

大橋先生が講義中に無数に挟んでくる、「君たちいま僕が言ったことわかるよね?」みたいな小ネタにビッグブラザーの名前が出てきた。

 

 

そういえば初夏くらいの時期に読んだけど、書いてなかったなって。

 

 

他の記事でも書いたかもしれないけど、名作とされてる作品って読んだ直後は期待が大きすぎて、そんなに評価されるほどは面白くないなと思ってしまう。

 

 

でもなんか記憶に残る要素っていうか、生きていてそのうちに、ああこれかと思う要素がある作品が名作といわれている気がする。

 

『電気羊はアンドロイドの夢を見るのか』のシンパシーボックスが、じわじわ度は今のところ1番だ。

 

 

作中に、「ビッグブラザーはあなたを見ている」という標語がある。

 

 

このビッグブラザーが、毛沢東レーニンヒトラーなんだけど、この見られている感覚は、支配被支配関係にすごく関わってくる。

 

これは確かにねすごいね。そう思っていた。

 

 

でもこの前の宮下先生の美術史学の講義での社会主義芸術の話によると、この肖像画に見られている感覚の利用はよくあることらしい。

 

スターリンなんかも、自分の写真を各家庭に1枚ずつ配ってて、リビングの1番いい場所に飾ることが義務だったらしい。

毛沢東とかもめちゃ大きい肖像画をかざってますよね、天安門とかに。

 

これを聞いたとき、ジョージオーウェルはすごいなと思ったけど、冷静に考えたら1984が後だね。

 

 

良いフィクションを書くにはいろんな知識が要るんですね。

 

2018.12.27 23:54

『犬とハモニカ』江國香織

 

 

旅情を感じたいなと思った。

 

 

あといろんな街に住みたい。

これはいつも思っていることだ。

 

 

実家でもまた暮らしてみたい。

つくしを城山さんで摘んできて、袴は取らずに母親に丸投げしたい。

 

 

必要なのは本を読んでいる私を見守っていてくれる人で、それは母親だ。

 

 

こたつで眠ってしまう母を揺り起こしながら、ずっと本を読んでいたかった。

 

 

2018.10.09 23:14

『SUITS』アーロン・コーシュ

 

 

面白いとは噂に聞いていて、ずっと観たいとは思っていた。

 

噂通り、1週間でシーズン1を観終わるくらい面白かった。

 

 

 

SATCが一話30分くらいなんだけど、SUITSは長くて48分くらいだから大体途中で一回止めて、ちょっとしてからまた観ていた。

 

 

フィクションのなかで、頭のいいキャラクターを描くことはとても難しい。

 

 

アホもアホで難しいと思うが、作る側より頭のいいキャラクターを描くほうが大変だ。

 

自分より頭のいい行動がわかるのなら、普段からそうするはずだ。自分の考えられる限界の賢さが自分の賢さだ。

 

だから頭のいいキャラクターを描こうとすると、手っ取り早く肩書きを付けておくか、頑張って時間をかけて考えたことを作中でキャラクターが一瞬で考えるか、そのどちらかになると思う。

 

 

どちらで描くのがいいかというと、それは圧倒的に後者だ。

前者では絶対にインテリになってしまい、学はなく粗野な振る舞いだけど頭は回る系のキャラクターが描けない。

 

 

SUITSは完全に後者の描き方をしてくれるから嬉しくなる。ハーヴィーは学歴もあるけど。

 

 

SUITSは1話が1番面白かった。

1話が1番面白いは、ちょっと悪口な気がしなくもない。しかしこれは本当に、ただただ1話がすごくおもしろいという意味で言っています。

他が悪いということじゃなくて。

 

 

くぅ〜っ頭いい〜っかっこいい〜っ!

のピークは1話で来てしまう。

 

 

回を重ねると、マイクがどんどん可愛くなってきてしまう。ハーヴィーはずっとかっこいいけど。

 

 

こんな単語使うとオタクがばれるんだけど、ハーヴィーが本当にスパダリすぎる。

 

 

ハーヴィーに庇護されて人生を送っていきたさがすごい。謎の理由で一途にハーヴィーに愛されたい。夢小説みたいに。

 

これは私の欲望ではなく、ハーヴィーというキャラクターの性質です。

 

見るものにこんな考えを抱かせる男ハーヴィー。

 

 

 

フィクションだからかも知れないけど、アメリカの激務の雇われ人は給料も相当高そうだからいいね。

 

 

バッチバチに働いて、高級スーツを着て高級車に乗って高層マンションに住む!身体も鍛える!良い女を抱く!みたいな。

 

 

日本でこういうドラマあったかな〜って考えて、高級激務なお仕事ものドラマでも、社会階層上位だぞ〜って描写はあまりない気がした。

 

 

そこまで国内ドラマを観ていないからかもしれない。

 

 

リーガル・ハイはちょっとそうかな?

 

服部さんとかいるし、ガッキーもはべらせてる。

 

 

リーガル・ハイはいいですよね。日本のドラマで1番好き。

 

 

日本のドラマももっと観たいと思っているので、リーガル・ハイより面白いドラマを知ってる人がいたら教えてください。

 

 

 

激務高級豪遊を観せてくれるのは面白い。

 

SUITS観たのは夏休み前とかで、この記事は下書きに眠っていたんだけど、今日から日本版のが放送始まるらしいので更新します。

 

本家に忠実だったら面白いと思うから、みんな観よう。

 

 

2018.10.05 20:52